side Boys
「あの、話は変わりますが」
「なんだ」
「デートしませんか?」
「…………」
「……そんなに露骨に嫌そうな顔をしなくてもいいじゃないですか」
「デートとか言うんじゃない」
「恋人同士が二人っきりで出かけることをデートと言うのでは?」
「いや、だからな……ああもういい、で?」
「はい?」
「だから、どっか出かけたいんだろ? どこに行きたいんだ」
「え」
「……なんでそんなに驚くんだ」
「いえ、了承されるとは思っていなかったので、少々予想外だったまでです」
「なんだそりゃ」
「えーと、そうですね、定番としては遊園地とか」
「男二人で行くと実に寂しい絵面にならんか。遊園地に行きたきゃ某ねずみーらんどのパンフレットでも部室に放置してればハルヒが行きたいと騒ぎ出すんじゃないか?」
「あそこは何をするにも並ぶ時間が必要ですから、涼宮さん向きではなさそうですが」
「並ぶのも醍醐味だとか言いだしそうではあるが、どうだろうな。まあとりあえずそれは保留だ」
「そうしましょう」
「男二人でもそんなに見苦しくないと言えば、映画とかか」
「映画館ですか、なにか見たいものでも?」
「そうだな、なんかしらやってるんじゃないか? 妹に付き合ってアニメ映画を見に行ったばかりではあるが……まあこの年になってポケ○ンもないだろう」
「え、面白いじゃないですか、ポ○モン」
「…………」
「…………」
「よしわかった、来週はポケ○ン映画鑑賞だな、見に行こうじゃないか」
「いえっ、その、見たいというわけでは!」
「いーや、俺は決めたぞ。今年は何周年だ?」
「ですから……」
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